DXコンサルティング

DX推進の第一歩:業務可視化から始める改善プロセス

株式会社プリファード

「DXやらなきゃ」で止まっている会社に足りないもの

経営会議で「DX推進」という言葉が出ない日はなくなった。けれど実態はどうか。号令はかかるものの、具体的に何をすればいいのか分からず、結局SaaSのカタログを眺めて終わり——私たちが相談を受ける企業の8割がこのパターンです。

原因はシンプルで、今の業務がどう回っているか誰も正確に把握していない。営業部が「30分で終わる」と言っている作業が、経理側では丸1日かかっていたりする。こうした現実を数字とフローで「見える化」しないまま、ツールだけ導入しても空振りに終わります。

なぜ業務可視化が先なのか

どこに手を入れれば一番効くか、見えるようになる

ある製造業のクライアントで、受注から出荷までの業務フローを図に起こしたことがあります。すると、月40時間以上が「Excelへの転記作業」に費やされていた。誰も気づいていなかった。フローを描いて初めて、「ここが一番のボトルネックだったのか」と合意が取れたのです。

部門間の「見え方の違い」が解消される

部署が違えば、同じ業務でも見え方が変わります。営業にとっての「簡単な依頼」が、バックオフィスでは3日がかりの手作業だった。こんなギャップは珍しくない。可視化すると全員が同じ地図を見ながら話せるようになるので、「なんであの部署は遅いんだ」という不毛な摩擦が消えていきます。

ツール選びで的外れをしなくなる

「とりあえずRPAを入れたけど使われていない」「kintoneを契約したのに定着しなかった」。よく聞く話です。どちらも、解くべき課題を絞らないままツールに飛びついた結果でしょう。業務フローが手元にあれば、「この工程にはワークフローツール、こっちはExcel関数で十分」と判断できるようになります。

業務可視化の進め方——4つのステップ

ステップ1:スコープをぎゅっと絞る

全社一斉に手をつけると、確実に途中で止まります。「請求書の発行から入金確認まで」のように、始まりと終わりが明確なプロセスを1つだけ選んでください。私たちの経験では、最初の対象は「関係者が5人以内のプロセス」が進めやすいです。

ステップ2:ヒアリング+シャドーイング

担当者に話を聞くだけでは、抜け漏れが出ます。口頭で説明されない「暗黙の手順」が必ずあるからです。可能なら実際の作業を横で見せてもらう。30分のシャドーイングで、インタビューだけでは絶対に出てこなかった手順が3つ4つ見つかります。

ステップ3:フロー図に落とし込む

MiroやLucidchartが便利ですが、最初はホワイトボードと付箋でも構いません。ツールの見栄えより、関係者全員が「うん、この流れで合ってる」と言える状態にすることが肝心。1回で完成させようとせず、2〜3回のレビューを挟むと精度が上がります。

ステップ4:課題マッピングと優先順位

出来上がったフローに、「ここで手戻りが頻発」「この承認待ちで平均2日ロス」といった課題を書き込んでいきます。並べたら、「改善のインパクト」と「実現のしやすさ」の2軸で優先順位をつける。コストをかけずにすぐ直せるものから着手するのが鉄則です。

つまずきやすいポイント3つ

  • 完璧主義の罠——8割の精度で十分です。残り2割は改善を回しながら埋めればいい。可視化だけに3ヶ月かけた挙げ句、現場が飽きてしまったケースを何度か見ています。
  • 現場が協力してくれない——「余計な仕事が増える」と思われるのは当然の反応です。「この作業、あなたの負担を減らすためにやっている」と目的を最初にはっきり伝えること。可視化で浮いた時間の具体例を見せると、空気が変わります。
  • きれいなフロー図を作って満足——フロー図はゴールではなくスタート地点。壁に貼って終わりにしないでください。次のアクションを1つ、その場で決める習慣をつけるだけで、可視化の投資が回収され始めます。

可視化した課題をDX施策に変換する

洗い出した課題は、3つに分けて考えると動きやすくなります。

  1. ツール不要で直せるもの——ルールの見直し、Excelテンプレの統一、承認フローの短縮など。案件によっては、ここだけで工数が2割減ることもある。
  2. 契約済みのSaaSで解決できるもの——Google WorkspaceやSlackの使っていない機能で対応できるケースは意外と多い。新しいツールを増やす前に、今あるものを使い倒す。
  3. 新規導入が必要なもの——ワークフローシステムやAIツールが必要な領域。ここは費用も時間もかかるので、カテゴリ1・2を進めながら予算確保を並行するのが現実的です。

私たちがDX支援に入る場合も、最初の1〜2週間で業務の棚卸しをします。すると「システム導入なしで片付く課題」が3割近く出てくる。この発見だけでも、可視化をやった甲斐があったと言ってくれるクライアントは少なくありません。

小さく始めて、早く回す

DXと聞くと億単位のシステム刷新を想像するかもしれませんが、最初の一歩はもっと泥臭い作業です。業務を書き出し、課題を見つけ、直せるところから直す。この地味なサイクルが、半年後には組織全体の動きを変えていく。

「うちにDXはまだ早い」と思っている会社こそ、業務フローの棚卸しから始めてみてほしい。見える景色が変わるはずです。

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