マーケティングビジネス

BtoB SaaSのプライシング戦略:安売りが首を絞める理由

株式会社プリファード
BtoB SaaSのプライシング戦略:安売りが首を絞める理由

「とりあえず月額5,000円で」の罠

新しいBtoB SaaSを立ち上げた際、多くの企業が陥る罠がある。「競合より安くすれば売れるだろう」「まずは導入社数を稼ぎたいから、月額5,000円くらいで始めよう」。この安易なプライシングが、後々自分たちの首を激しく絞めることになる。

BtoBビジネスにおいて、安さは必ずしも正義ではない。むしろ、安すぎる価格設定は「その程度の価値しかないツール」というシグナルを市場に送ってしまう。

安売りが引き起こす3つの弊害

1. サポートコストで赤字になる

月額5,000円のツールでも、月額10万円のツールでも、顧客から求められるサポートの質は大きく変わらない。むしろ、低価格帯の顧客のほうがITリテラシーが低く、手厚いオンボーディングを要求されるケースすらある。結果として、売上よりもサポートの人件費が上回り、売れば売るほど赤字が膨らむ構造に陥る。

2. 決裁のハードルは「安さ」では下がらない

BtoBの購買プロセスでは、月額5,000円でも稟議書は必要だ。「安いから現場の権限でサクッと導入できる」というのは幻想に近い。どうせ稟議を通す手間がかかるなら、企業は「安さ」よりも「確実に課題を解決してくれる信頼性」を選ぶ。中途半端な安さは、決裁の理由にはならないのだ。

3. 開発投資に回す利益が出ない

SaaSの命は継続的な機能アップデートだ。しかし、単価が低すぎると利益が出ず、優秀なエンジニアを採用することも、インフラを強化することもできない。結果としてプロダクトの進化が止まり、後発の競合にあっさりと追い抜かれてしまう。

「価値」から逆算して価格を決める

プライシングの基本は、コストの積み上げや競合の真似ではない。「このツールを使うことで、顧客はどれだけのコストを削減できるか(あるいは売上を増やせるか)」という「価値」から逆算することだ。例えば、月に10万円分の人件費を削減できるツールなら、月額3万円でも顧客にとっては十分にお釣りが来る投資になる。

価格改定を恐れない

初期の価格設定が間違っていたと気づいたら、恐れずに価格改定(値上げ)に踏み切るべきだ。もちろん既存顧客からの反発はあるだろう。しかし、提供している価値に自信があるなら、適正な価格を提示して、それに納得してくれる顧客と深く長く付き合うほうが、ビジネスとしては圧倒的に健全だ。プライシングは一度決めたら変えられないものではない。プロダクトの成長に合わせて、価格も進化させていくものだ。

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