構造化データ(JSON-LD)を、発注する側が理解しておく最低限

「入れておきました」で終わらせない
構造化データは、制作会社の見積書に一行だけ入っていて、詳細が分からないまま進むことの多い項目だ。技術的な話に見えるため発注側が踏み込みにくく、結果として「入っているはずだが、何がどう入っているかは知らない」状態になりやすい。
実装そのものは制作側の仕事でよい。ただ、発注側が最低限これだけ理解していれば会話が噛み合う、という範囲がある。ここではそこに絞って説明する。
何をしているものか
Webページは人間が読むためのものなので、機械から見ると「どれが会社名で、どれが料金で、どれが所在地か」が判別しづらい。構造化データは、そのページの内容を機械向けに整理し直して、ページの中に一緒に埋め込んでおく仕組みだ。JSON-LDというのは、その書き方の形式のひとつを指す。
人間が見る画面には現れない。ページの裏側に、機械向けの要約が添えられていると考えればよい。
なぜAI検索で効くのか
AIが回答を作るとき、ページの文章を解釈するより、整理済みのデータをそのまま受け取るほうが確実だ。解釈のステップが減れば、誤読も減る。事実を正確に伝えたい情報——料金、営業時間、対応範囲、FAQの答え——ほど、構造化データで渡す価値が大きくなる。
発注側が確認すべき3つのこと
1. どの種類を入れるのか
構造化データには種類がある。会社情報を伝えるもの、記事であることを伝えるもの、よくある質問を伝えるもの、パンくずを伝えるもの——用途ごとに使い分ける。「構造化データを入れます」とだけ書かれた見積もりには、どの種類を、どのページに入れるのかを確認したい。
2. 自動で付くのか、手で書くのか
これが最も重要な確認点だ。CMSに入力した内容から自動生成される設計なら、記事が増えても運用は変わらない。一方、記事ごとに手で書く設計だと、いずれ必ず抜けが出る。担当者が代わった時点で止まることも多い。
「今後コンテンツを追加していったとき、構造化データは自動で付きますか」——この一問で、設計の質はかなり分かる。
3. 中身とページの内容が一致し続けるか
構造化データはページの内容と一致している必要がある。表示は変えたのに構造化データは古いまま、という食い違いは、リニューアルやCMS移行の際によく起きる。実態と違うことを宣言しているページは、無いより信頼を損なう。同じデータから表示と構造化データの両方を作る設計なら、この食い違いは原理的に起きない。
よくある誤解
「構造化データを入れれば検索順位が上がる」という説明を受けることがあるが、順位に直接効くものではない。効くのは、検索結果での見え方と、機械が内容を正確に理解できることだ。AI検索の文脈では後者が重要になる。順位向上を約束する説明には注意したほうがよい。
手を入れる順番
すべてのページに一斉に入れる必要はない。会社情報・主要サービス・よくある質問——この3つから始めれば、AI検索で聞かれやすい質問の大半はカバーできる。当社ではmicroCMSのスキーマ設計の段階でここを織り込み、入力した内容からJSON-LDが自動で組み上がる形にしている。