microCMS × AI検索対策、どこまでやるといくらか——スコープの切り方

見積もりが比べられない
AI検索対策の見積もりは、会社によって桁が違うことがある。同じ「LLMO対応」という言葉で、月10万円の運用支援もあれば、数百万円の構築案件もある。何が含まれているかが揃っていないので、金額だけを並べても比較にならない。
ここでは費用の話をする前に、作業を4つの層に分けて整理する。自社がどこまで必要なのかを判断できれば、見積もりは比較できるようになる。
層1:現状把握と設計
今のサイトがAI検索から見てどういう状態にあるかを確認し、どこに手を入れるかを決める工程だ。構造化データの有無、情報の持ち方、競合がどう引用されているかを調べる。
ここだけを単独で発注することもできる。手を入れる前に社内の合意を取りたい場合や、既存の制作会社に作業を依頼する前提で方針だけ固めたい場合に向く。数週間程度の作業になることが多い。
層2:情報の持ち方の作り直し(スキーマ設計)
microCMS側のスキーマを、FAQ・定義・比較といった「引用されやすい単位」で持てるように組み直す層だ。ここが実質的な本体にあたる。
既存コンテンツの移し替えが伴うため、コンテンツ量が費用に直結する。数十件なのか数千件なのかで、必要な工数はまったく変わる。見積もりを比較するときは、対象件数の前提が揃っているかを必ず確認したい。
層3:公開まわりの自動化
記事を公開したら構造化データ・メタデータ・OGP画像が自動で付く、という状態を作る層だ。Webhookを起点に処理をつなぐ。
一度作れば運用の手作業が減り続けるので、更新頻度が高いサイトほど回収が早い。逆に、年に数回しか更新しないサイトでは、手作業のままでも困らないことが多い。更新頻度が判断の分かれ目になる。
層4:継続的な運用・計測
月次でAI検索での言及状況を確認し、コンテンツを追加・修正していく層だ。ここは1回で終わる作業ではないので、月額での契約になる。
注意したいのは、層2・層3を飛ばしてここだけ契約しても効きにくいことだ。土台が整っていない状態で運用支援だけを続けると、費用に対して変化が見えにくい。
どこから始めるべきか
更新頻度が高く、コンテンツ量が多いサイトなら、層2から入って層3まで通すのが素直だ。まだ判断がついていない段階なら、層1だけを切り出して現状を把握し、社内で議論する材料にするのが無駄がない。
全部を一度にやる必要はない。むしろ、いきなり大きく組むと効果が出たのかどうかも分からなくなる。当社では対象を絞った小さな範囲で試し、変化を見てから広げる進め方を勧めている。
見積もりを比較するときの確認点
- 対象コンテンツの件数は前提として揃っているか
- スキーマの作り直しが含まれるのか、既存のまま構造化データだけ足すのか
- 自動化の対象がどこまでか(構造化データのみか、OGP・翻訳まで含むか)
- 初期費用と月額の切り分けはどうなっているか
- 効果について、断定的な保証をしていないか
金額の妥当性は、この5点が揃って初めて判断できる。具体的な費用感については、サイトの規模と更新頻度を伺えれば概算をお出しできる。相談・見積もりは無料なので、比較検討の材料として使ってもらえればと思う。