システム開発プロジェクト管理

技術的負債との付き合い方:リファクタリングの稟議を通すには

株式会社プリファード
技術的負債との付き合い方:リファクタリングの稟議を通すには

「動いているなら触るな」という経営陣の論理

長く運用されているシステムには、必ず「技術的負債」が溜まる。ツギハギだらけのコード、誰も全貌を把握していない謎のバッチ処理、古いバージョンのまま放置されたライブラリ。エンジニアは「このままでは開発スピードが落ちるからリファクタリングしたい」と訴えるが、経営陣やビジネス側からは「今動いているなら、新機能の開発を優先してくれ」と却下される。どこの開発現場でも見られる光景だ。

技術的負債は「見えない借金」である

経営陣がリファクタリングに難色を示す理由はシンプルだ。「コードをきれいにしても、ユーザーから見える機能は何も増えないし、売上も上がらない」からだ。彼らにとって、リファクタリングは「エンジニアの自己満足」に見えている。この認識のズレを埋めない限り、永遠に時間はもらえない。

ビジネスの言葉で負債を翻訳する

エンジニアがリファクタリングの稟議を通すには、「コードの美しさ」ではなく「ビジネスへの影響」を語る必要がある。技術的負債を、経営陣が理解できる「コスト」と「リスク」の言葉に翻訳するのだ。

1. 機会損失のコストを提示する

「コードが汚い」と言うのではなく、「この機能を追加するのに、本来なら3日で終わるはずが、複雑なコードのせいで10日かかっている。つまり毎回7日分の人件費(約〇〇万円)を無駄にしている」と説明する。負債の利子を具体的な数字で示すのだ。

2. セキュリティと障害のリスクを語る

「ライブラリが古い」と言うのではなく、「サポートが切れたライブラリを使い続けることで、脆弱性を突かれて顧客データが流出するリスクがある。万が一インシデントが起きれば、損害賠償とブランド毀損で〇〇億円の被害が出る可能性がある」と説明する。経営陣は「リスクの放置」には敏感だ。

3. 採用と離職のコストを突きつける

「レガシーな技術スタックのままでは、優秀なエンジニアが採用できない。さらに、今のメンバーもモチベーションが下がり離職の引き金になる。エンジニア1人の採用コストは数百万円かかる」という事実を伝える。これも強力な説得材料になる。

「20%ルール」を組織の文化にする

大規模なリファクタリングの時間をまとめて確保するのは難しい。現実的な解は、日々の開発スプリントの中に「負債返済の枠」を組み込むことだ。例えば「毎スプリントの稼働の20%は、新機能開発ではなくリファクタリングや環境改善に充てる」というルールを、開発チームとビジネス側で合意する。借金は、毎月少しずつコツコツと返していくしかないのだ。

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